家庭内ネットワーク入門・第1回|IPアドレス・DHCP・DNSの役割を知ろう

家庭内LANのPC・ルーター・サーバー・スマホとインターネットの関係を表した概念図 はじめての自宅サーバー

自宅サーバーの記事を読んでいると、「サーバーのIPアドレスを入力」「同じLANにつなぐ」という説明が出てきます。ここで手が止まるなら、まずは機器のつながりを整理してみましょう。

この連載は全2回です。第1回は仕組みを知る、第2回は自分の設定を確認するところまで。サーバーをまだ持っていなくても読み進められます。今回は紙とペンがあれば十分です。

1.家庭内LANは、家の中の機器が通信するためのつながり

LAN(ラン)は、家やオフィスなどの限られた範囲のネットワークです。家庭では、PCをLANケーブルで、スマホをWi-Fiで接続していることが多いでしょう。Wi-Fiは無線でつなぐ方法、LANは機器同士が通信する範囲を表します。

家庭用のWi-Fiルーターは、別のネットワークへ通信を取り次ぐルーター、有線機器をつなぐスイッチ、無線機器をつなぐアクセスポイントなどの役割を1台で兼ねることがあります。これらの役割が別々の機器になっている家もあります。

たとえば「PCから家のサーバーのWebページを見る」のは家庭内の通信。「PCからインターネットのサイトを見る」のは家の外への通信です。Wi-Fiにつながっている表示だけで、インターネットまで使えるとは限りません。

まず紙に「PC」「ルーター」を書き、実際につながっている線を引いてみてください。サーバーがあれば、それも追加します。回線装置や中継機の細かな構成は、今は描かなくて大丈夫です。

2.IPアドレスは通信相手の宛先、サブネットは同じ範囲を決める情報

IPアドレスは、通信で宛先を指定するための番号です。この記事では、192.168.1.20のように数字を点で区切るIPv4を使います。IPv6という別の形式もありますが、今回はIPv4の読み方を覚えます。IPv6の設定を無効にする必要はありません。

次の数字はすべて説明用の例です。自宅の機器へ設定する値ではありません。

機器 IPv4の例 サブネットマスクの例
PC 192.168.1.20 255.255.255.0(/24)
サーバー 192.168.1.50 255.255.255.0(/24)
ルーターのLAN側 192.168.1.1 255.255.255.0(/24)

サブネットマスクは、IPアドレスのどの部分をネットワークとして扱うかを決めます。この例の/24なら、先頭3組が同じ192.168.1の機器は同じサブネットです。/24と255.255.255.0は同じ範囲の表し方です。別のマスクでは判定が変わるので、「いつでも先頭3組だけ見ればよい」とは覚えないでください。

また、同じサブネットに見えても、ゲストWi-Fiの分離やファイアウォールなどで通信できないことがあります。数字が似ていることと、実際につながることは別々に確認します。IPとマスクの関係はUbuntu公式のネットワーク基礎解説にも例があります。

192.168.で始まるものはプライベートIPv4の一部です。ほかに10.で始まる範囲や、172.16.から172.31.までの範囲もあります。家庭ごとに同じ番号を使えるため、別の家にある同じ番号のサーバーをそのまま指定しても届きません。範囲の根拠はRFC 1918です。

ここでの到達点:サーバーへ接続するときには、接続先サーバー自身のLAN側IPを使う、と説明できれば十分です。

3.デフォルトゲートウェイは、行き先が別のネットワークのときの出口

機器は、宛先へどの経路で送るかを判断します。より具体的な経路がないときに使う送り先がデフォルトゲートウェイです。一般的な家庭では、ルーターのLAN側IPがここに入ります。

上の例なら、PC自身は192.168.1.20、出口のルーターは192.168.1.1です。PCのIPとゲートウェイは別の項目です。ルーターのアドレスが必ず末尾.1になるわけでもありません。

サーバーの画面を開きたいのにゲートウェイのIPを入力すると、ルーターの管理画面が出る場合があります。「どの機器へアクセスしたいのか」を先に確認すると迷いにくくなります。

4.DHCPは、IPなどの設定を自動で受け取る仕組み

PCを家庭のネットワークにつなぐだけで使えることが多いのは、DHCP(ディーエイチシーピー)という仕組みが設定を配ってくれるためです。家庭ではルーターがDHCPサーバーを兼ねることがよくあります。

DHCPで配布できる情報には、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーなどがあります。有線LANでもWi-Fiでも使われる仕組みで、Wi-Fiそのものを指す言葉ではありません。

割り当てには有効期間があり、再接続などでIPが変わることもあります。昨日のサーバーIPをメモしていても、ずっと同じとは限りません。IPを一定にする方法はありますが、まずは現在値を読めるようになってから取り組みましょう。配布の仕組みはUbuntu公式のDHCP解説を参照できます。

5.DNSは、名前から宛先のIPを調べる仕組み

DNS(ディーエヌエス)は、たとえばWebサイトの名前から対応するIPを調べるために使われます。IPが「宛先の番号」なら、DNSは「名前を手がかりに番号を調べる仕組み」です。

PCの設定にある「DNSサーバー」は、その問い合わせ先です。ルーターが問い合わせを中継する構成ではゲートウェイと同じIPが表示されることもありますが、出口と名前の問い合わせ先は役割が違います。DNSは、ルーターの外や別の機器にある場合もあります。詳しくはUbuntu公式のDNS解説を参照してください。

なお、自宅サーバーに付けた名前が、何もしなくてもすべてのPCで使えるわけではありません。名前でのアクセスには、それを解決できる仕組みが別途必要です。最初は、既存記事の手順に沿って確認したLAN側IPを使うと、名前の問題と分けて考えられます。

5つの用語を、自分の言葉で確認してみよう

用語 まず覚える役割
IPアドレス 通信相手を指定する番号
サブネットマスク IPのどの部分を同じネットワークとして扱うか
デフォルトゲートウェイ ほかに適切な経路がないときの送り先
DHCP IPなどの設定を自動で配る仕組み
DNS 名前からIPなどの情報を調べる仕組み

「サーバーへ接続するIP」と「家の外へ出るゲートウェイ」を区別できれば、今回は完了です。次は、自分のPCで実際の値を確認します。

第2回:Windows・UbuntuでIP・ゲートウェイ・DNSを確認しよう

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資料確認日:2026年9月5日。図は構成を説明するイメージで、実機の画面ではありません。

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